315晩会 : 今年はネット系やスマフォ系への訴求が大半で外資企業の言及はなし
3月15日は消費者デーということで、中国では「315晩会」という番組が放映され、絶大な人気を誇っているのですが、同番組では詐欺や対応の悪さなどで消費者をないがしろにしている企業やサービスが毎年紹介されます。外資系企業にとっても他人事ではなく、過去にはアップルやフォルクスワーゲンだけでなく、日系企業の日産やニコンなども訴求されていました(詳細記事-1、詳細記事-2)。
今年、2016年も昨日放送されたのですが、結論から言えば今年はインターネット系やスマフォ系の企業、サービスへの訴求が大半で外資企業の言及はありませんでした。外資企業への言及がなかったことの背景はわからないですが、今年の番組で訴求されたものを簡単に紹介したいと思います。
1. 饿了么
「饿了么」とは各都市で配達をしてくれる飲食店を紹介したり、お店の予約ができたりするサービスなのですが、今回はそのプラットフォーム上に登録している店舗が写真を掲載していなかったり、虚偽の写真を掲載していたり、記載内容と実際の内容が異なっていたりで、プラットフォーム提供者としての責任、掲載までの審査の甘さなどが訴求されていました。
2. 车易拍
「车易拍」は中古車売買仲介を主に行っているサイトなのですが、こちらは売り手に表示される価格と買い手に表示される価格が異なるが、売買成立時には手数料、紹介料が既に取られているのに、これは不誠実だというものでした。こちらに対し、车易拍側は上の画像の通り即座に反応しているようで、その価格差も税金やサービス費用に充てているので理解いただきたいという旨の説明を既にWebページで釈明しているようです。
3. QRコードの危険性
QRコードを無作為に読み取ってしまうと銀行カードの情報やそのパスワードが搾取される可能性があるため、その危険性を喚起していました。
4. タオバオ上の子供用品
タオバオ上で販売されている子供向け製品(おもちゃ、衣服、おむつなど)の3分の1は中国の質量検査に合格していないと紹介されていました。また、中国語のタグや説明書がなかったものも26%見つかり、これは中国の関連する法律、規則や標準に反するものであると言及されていました。
これは広告に絡めて確定などのボタンを押したらユーザーの知らぬうちに(実際は細かく表示されていることもある)通話費用が搾取されてしまう悪意あるアプリの紹介で、代表的なアプリも3つほど紹介されていたのですが、そのどれもが100万人を超すユーザーに利用されていたらしいとのことでした。やはりスマフォアプリはどんなに興味があっても、入手が困難であっても公式サイトか信用できるマーケットから入手する、という以外の方法はとってはいけない、ということでしょう。
6. 無料WiFiサービスの危険性
中国は日本と比べると町中に無料WiFiのアクセスポイントが数多く存在しており、それはそれで便利ではあるのですが、当然悪意をもって設置されているものもあり、接続することで様々な個人情報が提供者に筒抜けになってしまうよ、という問題の喚起をしていました。これは無料WiFiだけでなく、無料VPNなどにも言えることかもしれません。
こちらはスマートフォンにセキュリティホールが存在することによって個人情報が漏れてしまったり、場合によってはリモートコントロールされてしまう危険性を紹介していました。まあ、こちらに関しては常にOSを最新にしておく、信頼できるセキュリティ対策アプリをインストールしておくなどで対応するしかないでしょうね。
8. タオバオなどでの店舗評価を虚偽の取引で高める手法
こちらは仲間内が買い手になり、購入を起こし、それを戻すという手法で一気にタオバオ店舗としてのランク、評価をあげてしまう手法が紹介されていました。
今年は冒頭でもお話しした通りインターネット系企業のサービス、スマフォのサービスが多いのは世相を反映してのものでしょうが、利便性には危険がつきもの、というのは注意しておかなければなりませんね(^^
情報元 => TechWeb