ビジネス特化型SNSの「脉脉」が新浪微博(シナ・ウェイボ)のユーザーデータ不正取得で敗訴 賠償金は220万元

Linkedinに似たビジネス特化型SNSを提供する「脉脉(Maimai)」が新浪微博(シナ・ウェイボ)から同社のユーザーデータを不正に取得した件で訴えられていたのですが、北京市海淀区の人民法院は新浪微博の訴えを妥当とし「脉脉」に220万元(≒3600万円)の賠償金支払いを命じました。

経緯としては新浪微博はサードパーティのアプリやサービス向けに同社のアカウントを利用したログインをAPIとして正式に公開しているのですが、脉脉はそこで公開・提供されている方法ではなく、別の方法で関連データを取得し、新浪微博がサードパーティに提供していないユーザー情報・属性まで取得してしまっていたようで、新浪微博が定める開発者協定に反するとともに、同社の安全面、ビジネス面を脅かすものとして上記判断が下されたようです。

微信(WeChat)なども同社のアカウントを利用した登録をサードパーティAPIとして提供していますし、スマフォアプリやWebサイトなどでもFacebookTwitterのアカウントでログインできる機能をよく見かけるかとは思いますが、一般的にはそれらサービス会社が正式に提供しているAPIを利用して実現するので、これは完全にアウトでしょう。

「脉脉」はビジネス特化型SNSとして登録ユーザー1,000万人、月間アクティブユーザー数が100万人と一定のユーザーを集めていて、2014年下半期には2000万ドルのBシリーズの融資を獲得するなど事業は急速とまではいかないものの、順調に伸びているようだったのですが、コンプライアンスなどの体制が追い付かなかったのかもしれません。

冒頭で紹介したLinkedin(中国名:领英)は中国に進出して2年となる2016年3月末時点でユーザー数が2000万人になるなど、ビジネス特化型のSNSも一定の市場は中国でも確立されていますが、今回の判決が脉脉のビジネスにどう影響していくのかにも要注目でしょう。


情報元 => 新浪財経京華網