BAT? B<<<A≦T?

腾讯科技(Tech QQ)でBATに関する面白い比較データが紹介されていました。

BATとは中国三大インターネット企業である百度(Baidu、バイドゥ)、阿里巴巴(Alibaba、アリババ)、腾讯(Tencent、テンセント)の頭文字をとった名称ですが、同データでは時価総額や営業収入、利益などの観点で比較が行われています。


まずは2016年12月30日時点での時価総額の比較です。

テンセントがアリババを僅差で押さえ2318.47億ドルでトップに立ち、そのアリババは2259.28で続き、バイドゥは両社の4分の1程度と大きく離された577.14億ドルになっています。


続いては保有現金の比較です。

こちらはアリババが161.29億ドル、テンセントが135.29億ドル、バイドゥが117.51億ドルという順ですが、それほど大きな差は見られません。


次は3社の2015年第1四半期から2016年第3四半期までの営業収入の変遷です。

2016年第3四半期時点ではテンセントが60.48億ドル、アリババが51.42億ドル、バイドゥが27.37億ドルと時価総額ほどではないですが、テンセントとアリババが競っていて、バイドゥが後れを取っているという感があります。実際に2015年第1四半期からの流れで見ても、着実に成長しているテンセント、波はあるが上がってはいるアリババ、ほぼ横ばい状態のバイドゥという感が見られます。


続いては純利益の比較です。

アリババの2015年第2四半期、第3四半期やバイドゥの2015年第4四半期など特異な例もありますが、こちらも基本的には営業収入と変わらぬ順序のようです。


続いては3社それぞれの営業収入構成で、まずはテンセントの統計です。

オンラインゲームによる収入が半分に迫る45%を占め、オンライン広告が15%、ソーシャルネットワークが12%、その他が24%で構成されています。特徴としては半分に迫るオンラインゲームの収入が対前年比で27%成長し、27.2億ドルに成長しているのと、ソーシャルネットワークの収入は58%成長し、14.69億ドルになっていることがあげられます。また、新規ビジネスとしてはWeChat Payクラウドコンピューティング業務が好調なようで、こちらは前年比348%の成長を遂げているようです。

次はアリババの統計です。

アリババの場合は若干分類が大雑把な気もしますが、ECが大半を占める83%で、デジタルエンターテインメント事業が11%、クラウドコンピューティングが4%、その他が2%という構成になっています。特徴としてはEC業務がまだまだ拡大をしており、対前年比で41%成長の42.73億ドルになっていることでしょうか。新規ビジネスとしてはクラウドコンピューティング業務が前年比で130%、デジタルエンターテインメント事業が302%成長しているそうです。

最後はバイドゥの統計です。

こちらはアリババ以上に大雑把な分類ですが、ネットワークによる収入が90%で、その他が10%という構成になっています。こちらはネットワーク収入が6.7%下降していますが、モバイルビジネスは生長しているようで、全体に占める割合が64%にまであがってきているそうです。新規ビジネスとしてバイドゥ財布(Baidu Pay)のアクティブユーザー数が9000万人に達し、前年比では78%の成長を遂げているとのことです。


下記は3社の対外投資に関する比較統計です。

2016年全体でテンセントは141.98億ドルの投資を行い、アリババが89.78億ドルで続いているのに対し、バイドゥはテンセントの約7分の1、アリババの約4分の1に留まる21.49億ドルの投資額になっています。


最後はその投資先の国内外比率です。


絶対数的にはこちらもテンセントが圧倒的なのですが、国内外比率で見るとテンセントが若干2社より比率的には海外投資が少ないようです。


ここまで来ると研究開発費用の比較なども欲しかったですが、今回のデータでは紹介されていなかったので、別の機会に譲ることにします。

こうして見てみると、「BAT」と横並びで表現されても実際は「B<< 腾讯科技

中国郵政が中国配車サービス最大手の『滴滴』に投資 将来は双方の強みを生かした新ビジネスも

8月1日に、中国ウーバーを買収し中国における配車市場での基盤を更に確固たるものにした『滴滴』。

今度は中国(CHINA POST)と戦略的に協業して息、同社から投資を受けることが判明しました。両者の関係者は双方のリソースや強みを生かし、より良質で便利なサービスを提供していくとしていますが、ある地域からある地域まで移動を予定しているドライバーに中国郵政が預かった荷物を運んでもらい、人件費や配送費を安くしていく、などということも今後起こりえるのでしょうか?

滴滴は現在3億人超の登録ユーザー、1500万超のドライバーなどを抱え、1日あたり平均1,600万回のやり取りが行われているそうです。

滴滴出行はもともとテンセントが投資していた滴滴打车とアリババが投資していた快的打车が合併し、更に先にお話ししたUber中国は百度(Baidu)が投資を行っていたため、結果として中国インターネットの雄「BAT」が全て投資に絡んだ形になっていましたが、今回の政府系からの投資で更に独占的な中国配車アプリ市場もしくはそこから発展させた市場、サービスでますます存在感を増していきそうです。


情報元 => 新浪科技中国郵政ホームページ

2015年の中国オンラインショッピング市場は3.88兆元(≒60兆円)の規模に モバイル利用者、海外のショッピングサイト利用者の伸びが顕著

中国インターネット情報センター(CNNIC)が『2015年中国オンラインショッピング市場研究報告』を公開したので概要を簡単に紹介したいと思います。

 
まず、2015年末時点の中国オンラインショッピングのユーザー数は、以前別のブログでもお伝えしましたが、全体で4.13億人(前年同期比14.3%増)、モバイル利用者は3.40億人(前年同期比43.9%)でした。

 
取引金額は2015年通年で前年同期比33.3%増となる3.88兆元(≒60兆円)に達し、中国全体の小売総額の12.9%を占めるまでに増長しました。なかでもB2C市場が好調なようで、こちらは前年同期比53.7%増の2.02兆元になったとのことです。

 
また、海外のショッピングサイトで商品などを購入するユーザーも増えており、2015年末時点でユーザー数は4091万人となり前年の1735万人と比較すると約2.5倍の規模になっており、オンラインショッピング全体のユーザー数に対する比率も4.8%から9.9%まで増える結果となっています。

 
同ユーザーがどの国のショッピングサイトで商品などを購入しているのか、というのが下図なのですが、日本は米国に迫る2位につけています。

 
日本語のニュースなどでも『越境EC』というキーワードを聞きますが、中国人の購買意欲は日本に来ての“爆買い”だけではなさそうです。
 
そして同ユーザーがなぜ海外のショッピングサイトで商品などを購入するのか?というのが次の図です。

 
品質問題(79.4%)と中国国内には偽物が多い(78.0%)というのがトップ2で、その他は安いから(63.9%)、品種が豊富(53.7%)、海外でしか販売されていないから(44.6%)と続きます。日本から中国のオンラインショッピングユーザーに販売訴求する際には「品質」と「日本オリジナル」などが購買増の鍵になりそうですね。
 
 
また、今回のレポートには微信(WeChat)などに代表される、ソーシャルメディア上でのオンラインショッピング、という統計も報告されていましたが、こちらもユーザーは順調に増えているようで2015年末時点では1.45億人となり、前年比19.1%増と全体の増加率14.3%を上回っていました。

 
 
今回はざっと概要だけ紹介しましたが、まだまだその他統計も掲載されていますので、ご興味がある方は中国語ですが元レポートを参照してみてください。
 
 
情報元 => CNNIC『2015年中国オンラインショッピング市場研究報告

中国移動(チャイナ・モバイル)の4Gユーザー数が4億を突破 中国聯通+中国電信4Gユーザー数の2.6倍強に

中国の3大モバイルキャリア、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)、中国電信(チャイナ・テレコム)から5月度の業績が発表され、各社携帯電話の契約数も公表されました。

中国移動は2016年5月末時点、携帯電話総契約数が8.35406億人になり、うち4G契約数が前月比1789.8万増の4.09億となり、ついに4G契約者が4億を突破するとともに、4G契約率が全体の約49%と半数近くまでになりました。

中国聯通は携帯電話総契約数が前月比57.9万の純増となる2.60117億で、うち4G契約数は前月比450.3万純増の6818.2万でした。中国電信は携帯電話総契約数が前月比134万の純増となる2.0551億で、うち4G契約数は前月比503万純増の8455万となりました。

これをシェアを表す円グラフにしてみると以下のようになります。

全体における中国移動のシェアは約64%ですが、4Gユーザーに限ると差が広がり67%のシェアとなり、契約数では中国聯通と中国電信の4G契約数を足した2.68倍と圧倒的な強さを見せています。

今後も中国移動が更にその差を広げていくのか、中国聯通や中国電信の巻き返しはあるのか、継続注視が必要です。


情報元 => 網易新聞

中国携帯電話の契約は2017年6月末までに完全実名制に 外国人にも適用され未実施の場合サービス利用不可に

中国では以前から形式上は携帯電話も実名制が前提となっていたのですが、正直なところ徹底は不十分でした。ところが最近になって携帯電話事業を管轄する工信部が実名制を強化すべく目標を明示し、2017年6月30日までに実名制が完全実施されるようチャイナモバイル、チャイナユニコム、チャイナテレコムなど大手キャリアにも通達していました。

そして5月31日、インタビューに答える形で工信部ネットワーク安全管理局副巡視員の隋静氏が、実名制の完全実施に向け、まだなお1億件分が非実名のまま利用されていることを明らかにするとともに、外国人が中国でSIMカードなどの購入含め携帯電話契約をする際もパスポートを証書として実名で登録することが必須であるとともに、2017年6月30日までに実名登録をしない携帯電話もしくはSIMカードはその後利用不可になるため、ご注意いただきたいとも語っていました。

ここ1,2年中国ではMVNO事業への参入が増えており、どうも同事業者は特に実名制登録の準備が不十分なようで、今後色々と物議を醸しだしそうですが、上記3キャリア含め、これから実名登録を促す宣伝文句なども多くなってくるのかもしれません。


情報元 => TechWeb

モバイルECサイトの「楚楚街」がシリーズCの投資で10億元を獲得 アプリインストール数は1億を突破

モバイルECサイトとして急成長し、易观智库のデータではタオバオ京東(JD.com)、天猫(Tmall)、唯品会(vip.com)に次ぐ中国ECサイトの5番手に位置していると言われている「楚楚街」がシリーズC投資として10億元を獲得したようです。

今回のシリーズではソフトバンク中国なども参加しているそうで、2014年のシリーズBの際にはテンセント社なども投資を行ったそうです。

楚楚街はモバイル、いわゆるスマートフォン向けのECサイトなのですが、そのアプリインストール数は2015年末時点で1億人を突破し、月間アクティブユーザー数は3000万人で、年間取扱額は50億元(≒823億円)を超えているそうです。

同社の設立は2010年で、本社は北京と杭州のダブル体制のようで、スタッフの人数は300人強になっているそうです。


私は同ニュースを聞くまでその存在すら知らなかったのですが、90后(1990年代生まれ)など若い世代を中心に人気を集めているようで、今回の投資で更なる発展が望めるかもしれないので、動向など注視していく必要がありそうです。


情報元 => ZOL新聞中心百度百科

ビジネス特化型SNSの「脉脉」が新浪微博(シナ・ウェイボ)のユーザーデータ不正取得で敗訴 賠償金は220万元

Linkedinに似たビジネス特化型SNSを提供する「脉脉(Maimai)」が新浪微博(シナ・ウェイボ)から同社のユーザーデータを不正に取得した件で訴えられていたのですが、北京市海淀区の人民法院は新浪微博の訴えを妥当とし「脉脉」に220万元(≒3600万円)の賠償金支払いを命じました。

経緯としては新浪微博はサードパーティのアプリやサービス向けに同社のアカウントを利用したログインをAPIとして正式に公開しているのですが、脉脉はそこで公開・提供されている方法ではなく、別の方法で関連データを取得し、新浪微博がサードパーティに提供していないユーザー情報・属性まで取得してしまっていたようで、新浪微博が定める開発者協定に反するとともに、同社の安全面、ビジネス面を脅かすものとして上記判断が下されたようです。

微信(WeChat)なども同社のアカウントを利用した登録をサードパーティAPIとして提供していますし、スマフォアプリやWebサイトなどでもFacebookTwitterのアカウントでログインできる機能をよく見かけるかとは思いますが、一般的にはそれらサービス会社が正式に提供しているAPIを利用して実現するので、これは完全にアウトでしょう。

「脉脉」はビジネス特化型SNSとして登録ユーザー1,000万人、月間アクティブユーザー数が100万人と一定のユーザーを集めていて、2014年下半期には2000万ドルのBシリーズの融資を獲得するなど事業は急速とまではいかないものの、順調に伸びているようだったのですが、コンプライアンスなどの体制が追い付かなかったのかもしれません。

冒頭で紹介したLinkedin(中国名:领英)は中国に進出して2年となる2016年3月末時点でユーザー数が2000万人になるなど、ビジネス特化型のSNSも一定の市場は中国でも確立されていますが、今回の判決が脉脉のビジネスにどう影響していくのかにも要注目でしょう。


情報元 => 新浪財経京華網